「AIで動画も作れるらしい」と聞いて興味はあるものの、画像生成よりも難しそうでなかなか手が出せていない——そう感じている方は少なくありません。動画は静止画と違って尺や動きがあり、音声やBGMまで考える要素が増えるため、どこから手をつければいいのか迷いやすいジャンルです。この記事では、AI動画生成を使った副業について、具体的にどんな仕事につながるのか、自分に向いているかどうかの判断材料、そして主要ツールの選び方や最初の一歩の踏み出し方までを解説します。特定の金額を稼げることを保証するものではありませんが、安全に、着実に始めるための考え方を整理していきます。
AI動画生成の副業とは?できることの範囲
AI動画生成の副業とは、AI動画生成ツールを使って動画を作り、それを仕事や発信活動に活かす働き方を指します。SNS用のショート動画、商品・サービスの紹介動画、ブログ記事に添える解説動画など、活用できる場面は少しずつ広がっています。
画像生成と大きく違うのは、動画には「時間の流れ」があるという点です。何秒かけてどのようにカットが切り替わり、どんな動きを見せるかという、尺と動きの設計が必要になります。多くのAI動画生成ツールは一度に生成できる長さに上限があるため、短いクリップをつなぎ合わせたり、生成した映像を編集ソフトで仕上げたりする工程もほぼ必須です。加えて、動画には映像だけでなく音声・BGM・字幕といった要素も関わるため、画像制作よりも確認すべきポイントが多くなります。
AIがすべてを自動で仕上げてくれるわけではありません。どんな構成にするかを決め、生成された素材の中から選び、必要に応じて編集し、音声やBGMを組み合わせて仕上げる——という工程は、人の手で行う必要があります。AI画像生成の副業とはまた別の難しさと面白さがあるジャンルなので、興味がある方は、先に画像系の副業について解説した記事もあわせて参考にしてみてください。
【初心者向け】AI画像生成で副業を始める方法|おすすめツール・始め方・注意点を解説
この記事では、こうした前提を踏まえたうえで、AI動画生成を使った副業の具体的な種類や始め方を順に見ていきます。
AI動画生成の副業で収入を得る主な方法
AI動画生成を副業に活かす方法はいくつかあります。作る成果物の種類と、仕事の受け方の両方を含めて、代表的なものを紹介します。
- SNS・ショート動画の制作:TikTokやInstagram Reels、YouTube Shortsなど、短尺動画向けのコンテンツをAIで生成する方法です。自分の発信活動として始めやすく、直接の収入にならなくても実績づくりの土台になります。
- 商品・サービス紹介動画の制作補助:広告や紹介向けの短い動画づくりに、AIで生成した映像や素材を活用する方法です。
- 解説・ナレーション付き動画の制作:ブログ記事や商品説明の内容を、AIによる映像生成とナレーションを組み合わせて動画化する方法です。
- 動画編集の補助:AIで生成した映像素材をもとに、テンポや構成を整える編集作業を請け負う方法です。
- 依頼を受けての動画制作:スキル販売サービスやクラウドソーシングを通じて、依頼者の要望に沿った動画をAIを活用しながら制作する方法です。
これらの方法を実際に仕事にする際は、スキル販売サービスやクラウドソーシング、SNSでの発信といった場を活用することになります。ただし、AIで生成した動画の取り扱いは販売先・投稿先のサービスによってルールが異なる場合があります(詳しくは後述の「音声・音楽・著作権で注意すべきポイント」で解説します)。
AI動画生成副業に向いている人・必要なスキル
AI動画生成を使った副業は、動画編集の専門知識がなければ始められないというものではありません。実際に向いているのは、次のような人です。
- 映像や音で何かを伝えることに興味がある人
- 同じ指示(プロンプト)でも毎回結果が変わる特性を理解し、気に入る結果が出るまで試行錯誤するのが苦にならない人
- 生成された複数のクリップの中から、目的に合うものを選び取る判断力がある人
- 動きや人物の不自然さ、尺の長さ、音声とのズレなど、細部まで確認する丁寧さがある人
- 各サービスの規約確認を面倒に感じすぎない人
「編集ソフトを使いこなせないとできない」というのはよくある誤解で、AI動画生成の中心的なスキルは、編集技術そのものよりも、AIへの指示の出し方や、生成された素材を目的に合わせて選び・つなぎ・仕上げる力です。
とはいえ、簡単な動画編集の経験があれば、AIが出した映像をより仕上げに近づけやすくなります。すでに動画編集や音声編集の経験がある人は、その強みを活かせる副業と言えます。
主要なAI動画生成ツールの選び方
AI動画生成ツールにはいくつかの選択肢がありますが、初心者のうちからすべてを比較する必要はありません。ここでは代表的な4つのツールを、ランキングではなく、それぞれどんな人に向いているかという観点で紹介します。

Runway
Runwayは、テキストや画像から動画を生成できるツールで、Genシリーズのモデルによってテキストからの動画生成(Text-to-Video)と、画像からの動画生成(Image-to-Video)の両方に対応しています。無料プランと複数の有料プランが用意されており、有料プランでは動画の秒数などに応じてクレジットを消費する仕組みです。
Runwayの利用規約では、生成した動画(アウトプット)の商用利用を制限しない旨が示されています。ただし、無料プランなど個別条件の扱いは変わる可能性があるため、商用での利用を考えている場合は、利用時に公式サイトで最新の条件を確認してください。また、アップロードする画像や動画などの元素材について、必要な権利を確認する責任は利用者自身にあるとされています。
Pika
Pikaも、テキストや画像から動画を生成できるツールで、映像の一部を膨らませたり溶かしたりするようなエフェクト表現が特徴のひとつです。公式の料金ページでは、商用利用は有料プランの機能として明記されています。
無料プランでどこまで試せるかは仕様変更によって変わることがあるため、商用利用を考える際の注意点はRunwayと共通しています。
CapCut
CapCutは、動画編集・AI動画生成・素材(動画クリップ、画像、音楽、テキストテンプレートなど)をひとつのアプリでまとめて扱える点が特徴で、動画編集の経験があまりない人でも始めやすいツールです。
ただし、CapCutで作った動画をそのまま商用利用してよいかどうかは、①AIで生成した部分、②CapCutが提供する素材・音楽、③自分でアップロードした素材のどれを使ったかによって条件が異なります。公式のMaterial License Agreement(素材利用規約)では、素材によって個人利用限定のものと、一定の条件のもとで商用利用が認められるものとが分けて定義されており、特に音楽については、ブランドや商用目的での利用に別途条件が設けられています。
つまり、「CapCutは商用利用できる」と一律に言い切ることはできません。実際に使う機能・素材・音楽の組み合わせごとに、最新のMaterial License AgreementやCapCut利用規約を確認する習慣をつけることが安全です。
Adobe Firefly Video
Adobe Fireflyの動画生成機能は、Adobe独自の生成AIモデルに加えて、他社の動画生成モデルを同じ画面上から選んで使えるのが特徴です。Adobeは、Adobe独自のFireflyモデルで生成した動画について、ライセンス済みの素材などで学習しているため商用利用を想定して設計していると説明しています。
一方で、この説明はAdobe独自モデルについてのものであり、Firefly経由で使える他社モデルにも同じ内容がそのまま当てはまるかどうかは、公式情報だけでは断定できません。また、生成物に関する著作権侵害時の補償についても、対象となるプランは限定されているため、「有料プランなら常に補償が付く」とは考えないほうが安全です。
どのツールを選ぶ場合も、無料の範囲でまず試せるか、動画編集の作業まで一つのアプリで完結できるか、商用利用の条件を自分で確認しやすいか、という点を基準に選ぶとよいでしょう。料金プランや機能は変更されることがあるため、必ず各サービスの公式サイトで最新情報を確認してください(2026年9月確認時点の情報です)。
AI動画生成の副業を始める4つのステップ
扱いたい動画の種類やツールが決まったら、次の4つのステップで進めると迷いにくくなります。

ステップ1:作りたい動画の種類と長さを決める
まずは、どんな動画を作りたいのかを具体的に決めます。SNS用の数秒〜十数秒のショート動画なのか、ブログに添える解説動画なのかによって、必要なツールや作業の流れが変わってきます。動画は画像よりも「尺」の制約が大きいため、最初にだいたいの長さと用途を1つに絞っておくと、次のステップに進みやすくなります。
ステップ2:AI動画生成ツールを選ぶ
作りたいものが決まったら、前の章で紹介した基準を参考に、使うツールを1つ選びます。複数のツールを同時に試すよりも、まずは1つに絞って生成から編集までの流れに慣れる方が、結果的に早く上達します。多くのツールには無料で試せる範囲が用意されているため、まずは無料の範囲で試してみるとよいでしょう。
ステップ3:短い動画を1本作って、生成・選定・編集の流れをつかむ
実際に指示(プロンプト)を入力し、短い動画を生成してみます。狙いどおりの動きや構図が出ることは少ないため、複数の候補を生成して見比べ、不自然な部分がないかを確認し、必要であればカットをつなぎ直したり、テンポを調整したりします。音声やBGMを加える場合は、映像との長さやタイミングが合っているかもあわせて確認します。この工程を通じて、AIに任せられる部分と自分で調整する部分の感覚がつかめてきます。
ステップ4:権利関係を確認してから発信・案件に挑戦する
使い方に慣れてきたら、実際に動画を届ける先を試してみます。その前に、使っているAIツールの利用規約、使用した素材や音楽の利用条件、そして投稿・納品先のサービスの規約を確認しておきましょう(詳しくは次の「音声・音楽・著作権で注意すべきポイント」で解説します)。
確認できたら、自分のSNSでの発信、スキル販売サービスやクラウドソーシングへの登録など、方法をいくつか試してみます。最初から大きな成果を求めず、まずは1本から始めて、少しずつ実績を積み重ねていくとよいでしょう。
音声・音楽・著作権で注意すべきポイント
AI動画生成を副業として活用するうえで、著作権や商用利用に関する不安を感じる方は多いはずです。動画は映像・音楽・声といった複数の要素が組み合わさるぶん、確認すべき点も画像より増えます。ここでは、確認しておきたいポイントを整理します。なお、以下は法律上の正式な分類ではなく、この記事で確認ポイントを分かりやすく整理するための切り口です。実際の判断に迷う場合は、文化庁などの公的な情報や専門家に確認してください。
著作権法上の考え方
文化庁の「AIと著作権に関する考え方について」では、AI生成物と著作権の関係について整理されています。ポイントの一つは、AI生成物が著作物として認められるかどうかは一律に決まるものではなく、人がどの程度創作的に関わったか(プロンプトの具体性や、生成後の編集・修正の有無など)によって個別に判断されるという点です。この考え方は画像に限らず、動画にもそのまま当てはまります。
また、生成した動画を公開・販売する前には、既存の作品と似ていないかを確認しておくことが望ましいとされています。既存の作品に似せることを狙って生成・入力する使い方は、著作権上の問題につながる可能性があるため注意が必要です。「生成すること」と、それをSNSに公開したり販売したりして「利用すること」は別の行為として扱われるため、生成できたからといってあらゆる利用が自動的に問題ないとは限りません。
各ツールの利用規約
AI動画生成ツールには、それぞれ独自の利用規約があります。ここまで見てきたとおり、商用利用が認められているかどうか、生成した動画の権利がどう扱われるかは、ツールによって、また同じツールの中でも機能や素材によって定め方が異なります。「このツールなら大丈夫」と決めつけず、利用を始める前に規約を確認する習慣をつけましょう。
販売・案件として動画を提供する場合、その提供先のサービスにも独自のルールがあります。「このツールで作った動画だから、どこでも自由に販売できる」とは考えず、利用するサービスごとに規約を確認してください。
音楽・BGM・ナレーション
動画特有の注意点として、音声まわりの権利があります。AI動画生成ツールが提供する音楽素材であっても、商用目的での利用には別途条件が設定されている場合があります(CapCutのように、ブランドや商用利用のためには追加の確認が必要な音源が用意されているケースもあります)。ツールが用意した音楽だから安心、と考えず、商用で使う前には利用条件を確認してください。
自分で用意したBGMを動画に加える場合も同様で、その音楽の権利者から利用の許諾を得ているか、あるいは商用利用が認められた音源であるかを確認する必要があります。
ナレーションや声についても注意が必要です。実在する人物の声を模倣するような使い方をする場合、著作権とは別の権利や、各サービスの利用規約が関係する可能性があります。安易に模倣せず、判断に迷う場合は利用を控えるのが安全です。
第三者の権利
著作権や音声の権利以外にも、実在の人物やキャラクター、ブランドのロゴなど、他者の権利に関わる要素に似せて動画を作る場合は、別の権利問題が生じる可能性があります。特定の作品や人物を意識した生成は避け、判断に迷う場合は利用を控えるのが安全です。
トラブルを避けるためには、どのような指示(プロンプト)でどのような素材・音楽を使い、どのような編集を加えて動画を作ったかを、自分の中で記録しておくことも役立ちます。
よくある誤解
AI動画生成の副業について、次のような誤解が見られることがあります。
- 誤解:AIが自動ですべて作ってくれるので、動画編集スキルは何もいらない
- 実際:AIはあくまで映像を生成する道具であり、構成を決める、生成結果を選ぶ、カットをつなぐ、音声やBGMを合わせるといった工程は人が行う必要があります。
- 誤解:AIで作った動画なら、どこでも自由に商用利用できる
- 実際:利用するAIツールの規約、使用した素材・音楽の条件、投稿・販売先サービスの規約、著作権、第三者の権利など、確認すべきポイントは複数あり、必ずしも自由に商用利用できるとは限りません。
- 誤解:Sora(OpenAIの動画生成サービス)も、今すぐ試せる選択肢の一つ
- 実際:OpenAIの公式な開発者向け案内では、Soraの動画生成モデル・Videos APIが2026年9月24日に提供終了となることが明記されています(2026年9月確認時点)。そのため、この記事では現時点で選べる選択肢としては扱っていません。
- 誤解:高性能なツールを使えば、すぐに稼げるようになる
- 実際:ツールの性能よりも、何を作るか、どこに需要があるか、権利関係を丁寧に確認しながら継続して改善できるかといった要素の方が結果を左右します。
よくある質問(FAQ)
- 無料ツールだけでAI動画生成の副業を始められますか?
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操作に慣れるところまでは、多くのツールで無料の範囲を活用できます。ただし、無料プランでどこまで商用利用できるかはツールによって異なり、変更されることもあります。商用で使う場合に確認すべき点は、次の「AI動画は必ず商用利用できますか?」で解説しています。
- AI動画は必ず商用利用できますか?
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いいえ、自動的に商用利用できるわけではありません。実際に確認すべきなのは、①使ったツール・生成物自体の利用条件、②使用した素材や音楽が個人利用限定かどうか、③投稿・納品先の規約、の3点です。特にCapCutのように、同じツールの中でも素材や機能によって条件が分かれる場合があるため、「このツールだから大丈夫」と一括りにせず、使った機能・素材ごとに確認するのが安全です。
- 動画編集のスキルは必要ですか?
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高度な編集技術が必須というわけではありませんが、生成された動画の中から良いものを選ぶ、カットをつなぐ、音声やBGMを合わせるといった基本的な編集作業は必要になります。CapCutのように動画編集とAI生成が一つのアプリにまとまっているツールを選ぶと、この負担を減らしやすくなります。
- BGMやナレーション音声は自由に使えますか?
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自由に使えるとは限りません。ツールが提供する音楽素材にも商用利用の条件が設定されている場合があり、自分で用意する音楽についても権利者からの許諾や商用利用が認められた音源かどうかの確認が必要です。実在の人物の声を模倣するようなナレーションについても、著作権とは別の権利や各サービスの規約を確認してください。
まとめ|次に読むべき記事
この記事では、AI動画生成を使った副業について、具体的な収入の得方、向いている人・必要なスキル、主要な4つのツールの選び方、始め方の4つのステップ、そして音声・音楽・著作権で確認すべきポイントを整理しました。構成を決め、素材を選び、権利関係を確認するのは最後まで自分の役割であり、AIを使うこと自体が収益を保証するものではない、という点はあらためて押さえておいてください。
次に取る行動は、作りたい動画の種類と長さを1つ決め、紹介したツールの中から気になるものを1つ選び、無料の範囲でまず短い動画を1本作ってみることです。あわせて、利用するツールと投稿・販売先の規約を確認しておくと、その後の展開がスムーズになります。
AI副業全体の選び方や、他のジャンルとの比較については、次の記事もあわせてご覧ください。


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